米国によるイラク人捕虜虐待に一言(2004年5月15日記)

 2004年5月8日朝日新聞夕刊に米国によるイラク人捕虜虐待の記事が載っている。
 「米兵、少女にも暴行」、「虐待「象徴」の女性兵起訴」、「イラク人虐待1年前に警告」赤十字国際委等。

 そもそも、米ブッシュがフセイン率いるイラクに大量破壊兵器を隠し持っているとして攻撃したこと事体許されることではないが、大量破壊兵器は見つからない上に組織的に捕虜を虐待していたとは、何たることだ!もともと、米国は自国のことを「世界を取り締まる警察」と思っている様であるが、実際は『世界中で傍若無人に振舞うやくざではないか!』

 今回の事件の根底にあるのは、白人の頭の中に依然として大航海時代からの世界征服欲、即ち、白人至上主義、キリスト教至上主義、世界は自分たちのためにある、等の考えが残っているとしか思われない。イラクに民主主義の押し付け。そもそも米国が言う民主主義が最高のものと誰が決めたのか。全くの押し付けであり、そんなことを押し付けること事体、民主主義とやらに反するのではないか。どうにも解せない。更に国際赤十字が1年以上前から米国に警告していたというのであるから何をか言わんや、である。米国が口では民主主義を唱えながら、実際は極めて野蛮な卑下すべき国家であることを物語っているではないか。

 イラク人男性の首に革紐を巻きつけて犬のように扱った女米兵や裸にして立たせた複数のイラク人男性の横で、タバコをくわえ下半身を指差している最低の女米兵が起訴され、上部の指示によるものだと、自分達の罪を逃れようとしている。そんな言い訳が通じるか、と言いたい。例え上からの命令であっても、非人間的な行為はしてはならないというのが、国際的な流れではないのか。そんな言い訳を認めたら第二次世界大戦後、捕虜を虐待した等の罪で銃殺や絞首刑に処せられた日本兵はどうなるのか。

 5月10日夕刊には「イラク人虐待英首相も謝罪」、「裸の収容者、軍用犬で虐待」の記事。
 5月11日夕刊には「8歳少女ら英軍が射殺」の記事。
 多分、アフガニスタンやイラクで米英軍に罪も無く殺された一般の民間人は数千人いるだろう。これが米英人だったら大問題になるだろうに、イスラムの人々なら何人犠牲になってもいいのか?欧米人は白人(キリスト教徒)以外は人間と思っていないだろうから、こんなことを平気でやるのだろうが。それにしてもこんな米英にべったりの小泉は恥ずかしい存在である。

 小泉如きは米国に押し付けられた憲法ではなく、自主的な憲法を作るべしとか言って憲法改正も目論んでいる様だが、自分が日本の心も体も米国に売っておきながら、自主的な憲法が作れるわけが無いではないか。それは自民党も一緒である。米国一辺倒の売国奴たちに自主的な憲法を作ることが出来る訳が無い。

 5月12日夕刊にはショッキングな事件が載っている。アルカイダの関連組織とみられる武装集団が「虐待報復」で米国民間人の首を切り落とし、その映像がイスラム系ウェブサイトで流れたとの事。米英のやった虐待はただ単なる虐待ではなく、イスラム教の尊厳を踏みにじるような事をやっている。いくら形だけ民主化を叫んでも無駄であろう。アラブ人が意地のある民族なら白人には絶対に従ってはいけない。負けてはならない。

 最後に。下っ端の兵隊としてイラクやアフガニスタンに派遣されている米兵も可哀相なものである。米国サラリーマン全体が実質年収がずっと下がっていく中で貧しい家庭の人間は兵隊にでもなるしかない。一方で今回のイラク米国支配で一部の米国企業は莫大な仕事を請け負って収益を上げている。要するに米国の大資本家の金儲けの為に米国の貧乏人は兵隊として命を捧げているのである。

 従って、米国の一部大資本の金儲けの為に日本の金を出し、自衛隊を派遣して日本人の命を危険に晒している小泉の責任は極めて重大である。その小泉を依然として指示する日本国民は馬鹿である。


最後に参考文献を2冊。
・PHP文庫  ビル・トッテン著 「アングロサクソンは人間を不幸にする」
・幻冬舎文庫 小林至著     「アメリカ人はバカなのか」

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